アマゾン苦戦。新刊書籍の価格自由化は書店圧力。本の割引販売敗北。

アマゾンはあらゆる作戦でこれまでの出版業界の悪しき風習を変革しようと奮闘しています。
アマゾン推奨派と否定派がいると思いますが、私はアマゾンをかなり利用しますし、今の出版不況を乗り越えていくためにはアマゾンのチカラは欠かせないかなと。
でも今回2回目の一部の本の値引き販売は苦戦中。
前回6月から7月に行われた一定期間を過ぎた本の割引販売に参加した出版社は、ダイヤモンド社、インプレス社、廣済堂、主婦の友社、サンクチュアリ出版、翔泳社の6社あったのが、今回は筑摩書房の1社のみ(参考記事:アマゾンが本の値引き販売 根強い警戒感、参加1社だけ)。
どういうことなんでしょうか。
本の割引販売は書店にとっては死活問題
本の流通の仕組みはこんな感じになっています。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151224-00000006-asahi-bus_all.view-000
ま、ややこしいですよね。私も本を出版するまでは、本の流通の仕組みはまったくわかっていませんでした。たぶん、上記の図を見てもイマイチわからない感じですね。
私も正直わかっていません。言えることは、書店とアマゾンは対立関係にあること。本の値引き販売は一般書店にとってはメリットは少ないということです。
書店からの圧力で出版社はアマゾンの提案に乗れない
一般書店にとっては、紙書籍の割引販売は未知の世界なんですね。中古価格での販売はあっても、新品書籍の割引販売はない。
価格の自由化が現状のシステムではリスクがあるということですかね。もちろんやったことがない販売スタイルをとることはリスクだらけでしょう。
でも、このままでは本は売れなくなっていきますよね。
出版社がどういった販売戦略をとるのか。出版社は、これまでの付き合いのある書店さん、取次さんとの繋がりも大事にしたい気持ちがある。
でも、何かを変えないと出版不況から抜け出す道はないでしょう。
アマゾンの最終目標
アマゾンは出版社を集めて、「なぜ本が売れなくなっているのか」と問いかけをしているようです。もちろん、コンテンツ、質の問題もあるでしょう。
でも、やはり時代の流れに乗っていけていない。古い体質に固執していることが一番の理由だと思います。
アマゾンは紙書籍の割引販売は、通過点に過ぎないと考えています。最終的には、自由化価格での販売ができるような仕組みを構築する。
価格を小売事業者が自由に決定する。出版社は卸値だけを決定するということですね。あとは、小売業者が自由に価格を決めていく。
そうすることで、返本率も減らすことができるし、出版業界全体を盛り上げることができるのではないかと。
確かに、本の中古品が出回っていますし、ほぼ新刊に近い状態で本を入手できるんですよね。おそらく近い将来、ネット図書館というか、図書館の本ももっと手軽に自宅に届けられたりなっていくのではないでしょうか。
そう考えると、早い段階で「本の自由価格化」は必要かなと。私は一般書店も好きなので、何とか共に生き残れる道を模索してもらいたいものですね。
本のライバルは本にあらず
そもそも、本のライバルは本にあらずということなんですよね。
一般書店にとっては紙書籍が売れないといけない。電子書籍とどう折り合いをつけるかという議論になってしまいます。でも、もうそういう時代はないんですよね。
紙書籍、電子書籍がどうのこうのという話ではないんです。面白いコンテンツは、ネットで山のように読めてしまうし、面白い動画も山ほどあります。
昔は、本や新聞で知識、ニュースを入手することが主だったわけですが、時代が変わっています。本という媒体を変化させていかなければ、それこそ本はこの世から無くなってしまうのではないでしょうか。
レコードがCDに変化し、CDがネット配信に変化した。音楽業界は必死に変化に対応してきたように感じるのは私だけでしょうか。本が好きな私としては、うまく時代の流れにのって欲しいなと思っています! 一般書店さん硬い考えを捨てて、頑張ってくださいね!